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(1)産地
産地は河北省易県、遠く戦国時代の燕国の都易州である。易水硯の硯材の採取は、県境終南山の韓湘子洞と黄伯陽洞で行われる。
(2)時代
「易州志」に易水硯は戦国時代に始まるとある。唐時代の製硯の名家超父子が易州に封ぜられて、李超と改名、宋朝に至るまで易水硯を朝廷の献上品とした。
宋の『硯譜』では「易水硯は硬く潤いがあつて剛い、色はつやがしてまじり気がない。発墨は極めて良く、筆ののりも良い。松煙墨をもつてすれば、発墨ことにすぐれ心地よい」。
(3)石質
易水硯は石質の特徴のとして、堅潤、円滑、厚重、細密、清冷といわれる。終南の石は、紫、緑、白の色とりどり、細やかにして硬く、滑の中にすべらかでなく硯材として極上である。
(4)その他
易水硯は中国八大名硯の一つで、その製硯の伝統的技術は中国各地の名硯に強い影響を与えた。
日中友好協会会長の廖承志先生が一九七八年訪日した際、田中角栄首相と大平正芳外相に易水硯を贈呈した。一九八五年、易水硯は全国工芸美術百花奨一等奨を受賞。一九九四年、中国名硯博覧会で金賞を受賞した。ケ小平・胡耀邦などの国家指導者、呉作人・範曽などの著名書画も易水硯を愛蔵している。
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